再利用型に弱点
◇事故2度14人犠牲/対策費増
売り物の「再利用型」は最大の弱点でもあった。
翼で滑空しながら着陸する方式を選択したことで機体の形状が複雑になった。
86年にチャレンジャー、03年にはコロンビアが事故を起こし計14人が犠牲になった。
再利用の最大の狙いはコスト削減だったが、コロンビア事故後に安全対策の費用がかさみ、
1回当たりの運用費は当初想定した約5000万ドルの20倍近い8億〜10億ドルに膨らんだ。1
「年間50回程度」の飛行計画は、実際には85年の9回がピーク。
100回の飛行を想定して製造された5機は事故で2機を失い、
残る3機で最多のディスカバリーも39回で引退した。
79年からシャトルにかかわってきた澤岡昭・大同大学長(宇宙利用戦略論)は
「最近は地上設備も老朽化し、打ち上げのたび心配だった」と振り返る。
さらに「安全性もコスト面でもシャトルは失敗だったと言わざるを得ない。
しかし、日本はきぼう建設や日本人搭乗で多大な恩恵を受けた。(ISS参加で負担した)
安くない授業料に見合う有人宇宙開発戦略が、日本政府には今後求められる」と指摘する。
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